2014年11月22日土曜日

11/5 再び、人形の家


アクターズラボと村川さんって、あんまり合わないですよね、と受講生に言われてしまうところから始まったこのクラスですが、稽古は順調に進んでおります。

それというのも、そもそも村川さんは「劇作家」では無いわけですから、もともと、確かに、講師としては普段とは随分違うものと思われるのも当然かもしれません。

さて、そんな村川クラスの人形の家は、ちょっとずつ人形の家から外れていきます。

ある受講生の1人はそのテキストの全てを読む、その他の皆は自分が選んで気に入った箇所をいくつか選んでください、そうして、そのところが来たら自分なりの読み方で読んでください。そうして、もう1人はその文章が一区切りついたところで、気に入った箇所を覚えて読んでください。という、そんな人形の家。

全くもって、人形の家のテキストが要請しているものとは違います。イプセンが要請していたのは、ノーラと言う女性を、まるでノーラのように演じる事だったのかもしれません。

ただ、これはこれでイプセンの人形の家のようではある、とも思います。

人形の家とはすごーく単純に「虐げられる女性」あるいは「言いなりの女性」です。

たった1人が全てを読み続け、気に入った箇所が来たら急に割り込んで、好き勝手な読み方でセリフを読んで、どうでも良い場所は人に任せる、という形で進んでいく読み合わせを見ていると、まるで通して読んでいる受講生が皆の為にどうでも良い時間を過ごさせられている労働者のように見えてきます。

決して自由に自分の好きな事をやらせてもらえず、人が読み始めたらその場所だけ譲り、そうやってただ淡々とテキストを読む時間を過ごすことは、家の中で自由を無くして言いなりの操り人形になっていたノーラに似ていました。

そんな風に続いている人形の家を公演でやるのかどうかは置いといて、取りあえず人形の家について考える事はもう少し続いていきます。

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