2014年12月15日月曜日

12/10 女はみんな生きている


というのはフランス映画のタイトルで、さすがに毎度、タイトルが人形の家では退屈なので、こうやってその稽古場ではまったく話題にもならなかった映画のタイトルを拝借してきたのですが、この映画はコリーヌ・セローという監督が撮ったコメディではあるものの、現代的なフェミニズム、あるいはジェンダーについての問題を端々に、あるいはあからさまに撮影しています。
人形の家もジェンダーとして読むことはできますし、そういう意味ではこのタイトルも近からず遠からずで、演劇でも女性性を扱った作品では、ヴァギナモノローグという作品など、ジェンダーやセックスやフェミニズムに絞っても、世界各国でいろいろな作品が様々なアプローチで書かれています。

イプセンの人形の家についてひたすらに考え続けてきたこのクラスですが、一応今回でまずは一区切りがついたようで、それというのも、それぞれが「脱出」というテーマで考えた新しい上演方法というか演出をミックスして、1チーム(6人)で人形の家のラストシーン(登場人物2人)を様々なアプローチで演じる、という稽古が行われ、時間に追われながらもなんとか発表が済んで、それぞれのチームの意図が語られ、村川さんからの演出も加わり、という風に進んでいくのですが、今月はいよいよ、みんなで人形の家を読んでみよう、という話にもなっています。

稽古開始段階では、受講生は誰も人形の家を読んでいない、ということが発覚して、その後、皆がそれを読んだのかはわかりませんが、とにかく、もう少し人形の家について考える、という時間がこのクラスでは続いていくようです。

アクターズラボは名前の通り俳優についての技術を学ぶところではありますが、学問に王道なし、というか、俳優になる、というアプローチには様々な方法があるのでしょうし、ドラマなどでさえ最近は見なくなったありがちでありきたりな発声練習をしているイメージから、河原乞食と呼ばれるような汚いイメージまで、それに、テレビのCMで活躍する人気俳優から、小劇場を活躍の場とする俳優まで、道なりも目標もさまざまに用意されています。

このクラスでの道なりというのは、まだ始まったばかりなのでこれからのことはわかりませんが、まずは読んで考えるということから始まって、その後は、演技がうまくなる、というよりも、演劇のとらえどころのない可能性を実践してみる、というところを経由しているようでした。
演劇論や演技論など、アマゾンで調べれば世界各国でいろいろな演出家や俳優が様々なアプローチで書いているので、どうしようもないね、これは、という量の本が見つかりますが、それだけ多くの方法が用意されている中で、演技が上手になる、というのではなく、演劇が上手になる、という一歩として、その出口はまず9月の公演ではあるのですが、ちょっとずつこのクラスの稽古は進んでいます。



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