2015年5月13日水曜日

5/6 太るテキスト


アクターズラボは公演近くになると週に二回の稽古になり、それでこのクラスでは少し早めに6月から週に二回の稽古になるわけですが、それまでの時間を今何をして過ごしているかというと、少し古めかしい演劇の言葉でいうなら「実験」のようなことが行われています。


それで、具体的にどんなことをやっているのかというと、村川さんがこう言っていたのでそのままタイトルに採用されている「テキストを太らせたい」というようなことで、一度村川さんが改変した「人形の家」に、オリジナルの「人形の家」の台詞を肉付けしていくために、実際の生身の俳優たちがその言葉を声に出しているのを聞きながら、そこから幾つかの台詞を採用して新しいテキストを書き直す/書き足すというための時間が過ぎています。


イプセンによって綴られた言葉の断片は村川さんによって切り離され、やがてパッチワークのように縫い合わされるのですが、もともとTextileという言葉から派生したテキストというそのものの意味で布地/織物のように一度裁断されて新しく切り貼りされ、もちろん縫い物をしているわけではなくて、それに村川さんは「太る」という肉感的な比喩を使ったのであれば、どちらかといえばそれば縫合手術のようなやり方なのかもしれませんが、それが布地の織物であろうと、肉の縫合であろうと、文字を綴ることであろうと、少しずつ形になっていくテキストに寄り添いながら、今日も稽古は進んでいます。

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