2015年9月3日木曜日

8/31 イプセン「人形の家」

いよいよ明日から開演します、ベチパー「人形の家」

おかげさまで明日の19時の回は満席となりましたが、当日券を若干枚ですがご用意いたします。
また、日曜日も席数は残り僅かになっておりますが、土曜日はどちらの回もお席に余裕がございます。

皆様のご来場、こころよりお待ちしております。


さて、人形の家は自然主義リアリズムの演劇として多くの人に読まれてきたはずですが、ノルウェーに住むある夫婦の家、夫である弁護士ヘルメルと共に幸せな生活を続けるノラのもとに、ヘルメルの部下、クロークスタットが訪れるのだが、クロークスタットはヘルメルに疎まれ、解雇される予定になっているという状況をどうにかしてくれないか、と、妻のノラに頼みに来るとともに、かつてヘルメルが病床に伏した際、ノラはクロークスタットから借金をしたのだが、 ノラは借金の借用証に書くべき父のサインを捏造していて、 その事実を知るクロークスタットは、解雇を取り消さなければ、借用証書の捏造の事実をヘルメルに暴露すると、ノラを脅迫する。


ノラはヘルメルにクロークスタットの解雇を取り消すよう頼むが取り合ってもらえず、 代わりにヘルメルがリンネ夫人を雇うことを宣言してしまうと解雇通知をクロークスタットの元に送り、それを受け取ったクロークスタットは、ヘルメルにノラの悪事を暴露する手紙を書き、その手紙を読むヘルメルは慄き、そしてノラを罵倒する。


一方、かつての恋人であるリンネと再会したクロークスタットは再び、リンネとともに生きていくことを約束すると、やがて改心し、借用証書に謝罪の言葉を添えノラに返す。

その謝罪の手紙を読むヘルメルは安堵し、これで不安がなくなった、とノラと喜び合おうとするのだが、ノラの心はすでに覚悟を決めていた、


という大体のあらすじ、ですが、どちらかといえば、というか、どう考えても、はっきりと、メロドラマだ、と思うのですが、こんな限りなくドラマチックな「人形の家」のことを、どういうわけか、いつも、社会派、フェミニズム、自然主義、などなどと語られ、むしろロマン主義のメロドラマ的ではないか、と思いつつ、それはもちろん、自然主義的な小説の代表者として呼ばれるフローベールの「ボヴァリー夫人」などももちろんそのうちの一つ、というか、より輪をかけてメロドラマ的な性質を抱えていたりするのだけれど、かつての恋人、夫の病気、叶わぬ恋、崩壊することによってしかわかることのない幸せと不幸せ、などなど、細かく切り刻めばあちこちに、ドラマの、メロドラマ、のフラグメントが散らかっています。


ところで、あなたは「ボヴァリー夫人」を知っているだろうか。
そしてあなたは「人形の家」を知っているだろうか。

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