2016年10月6日木曜日

9/8 9/9 日本と中国

劇研アクターズラボ+村川拓也 ベチパーの新作公演のタイトルは、Fools speak while wise men listen、つまり賢者は聞き愚者は語る、という意味なわけですが、しかし、舞台の上では、日本人、中国人が互いに、聞き、話し、つまり、語り合っています。
だから彼らは、彼女たちは、互いに愚者であり互いに賢者であるような、そして、観客も、それを黙って見ているときの観客席の私たちは賢者であり、そしてそれについて感想を書いている今の私は愚者であり、だから別に、誰かがいつも愚かで、いつも賢しいわけではなく、ときどきは賢しく、ときどきは愚かしい、そんな聖俗の行き来を繰り返しているという感じです。
しかし、基本的に私たちは、言葉を交わさ分かり合えるなんてことはないのですから、いくら愚かであろうとも、最初の一言を誰かに向かって話しかけなければいけないわけで、たとえば誤解があったとしても、分かり合えないままだとしても、何度も何度も、同じことの繰り返しとして、語り合わなければならないのかもしれませんし、だから、今回の作品でも、私たちは、自ら話をしてみよう、愚かであろうとも、話をしてみよう、いつまでも愚かであり続けよう、という単純な事をしているのかとも思います。しかし、単純が、いつも簡単だ、というわけではない、から大変です。
そして、というか、あるいは、それは、分かり合う必要なんて本当はなくて、私たちは違ったまま、それでも向かい合い続けようとしているのかもしれません。

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