2016年6月30日木曜日

6/15 インタビュー!


それで中国について、中国語について、あるいは、というかむしろ、それらの国や言葉を通じて、私たちの母語や歴史や現在を否応なく考えざるを得ない大きな大きな「中国」について、だけを黙々と考えていたわけではなく、もう一つ、この稽古場では時々、インタビューを音読する、という作業も行われていて、答えているのは笙野頼子や保坂和志、太田省吾などの小説家、演出家、など、広い意味での文学者、と言っても良いのかもしれませんが、そういった「作家」の文章を、話し手の性別などもあまり関係なく、とにかく読んでみる、と言う作業について、実際に稽古の最後に村川さんも「これはあんまり今回の作品に関係ないです」と言っていたわけですが、どうやら、インタビューという形式なのか書物なのか判りませんが、いずれにしてもそれへの関心から稽古場では数回、インタビューを声に出して読む、ということがなされ、けっして私、ではない出演者が、だれにうっているのかよくわからない相づちをしながら、そうですね、僕が考えていることは〜、などなど、自分ではないものの言葉を自分の言葉として、しかも文学者は考えることが難しいのかリゾーム、シニフィアン、エクリチュール、天皇制、領土化と脱領土などなど、むつかしい言葉満載であったり満州から引き上げてきた思い出などについて語る20代前半女子、などなど、とにかく、絶対にそれが「私」の言葉でも事でもないインタビューを「私」として引き受ける姿は、たしかに自分ではない人の言葉を自分のこととして話す、という意味では演劇、なのかもしれませんが、いずれにしても、今回の稽古場では、演劇は少しいびつな形にされながら、上演に向けて着々とした遠回りを続けています。

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