2016年7月27日水曜日

7/4 STORY/HISTORY



今回の作品では、戯曲は使われる予定はありません。
それというのも、近年の村川さんの本公演からすれば、昨年行われた「人形の家」の上演が特殊なことであり、今回も、戯曲を使った公演、という案も出なかったわけではないですが、それがどうして行われなかったかといえば、それは単純に、やはり、村川さんの関心の中に「戯曲」ということよりも、別の事があった、ということになるのでしょうけれど、では、その関心とは何か、というと、中国、あるいは中国と日本のあいだにある距離、などの言葉になるのかもしれません。


しかし、劇研アクターズラボはそもそも、俳優のための演劇講座、というようなコンセプトがありますし、俳優はそうなると、戯曲があって、それを上演する、ということが、やはり普通の俳優としてのあるべき姿、と一般的にはそう考えるの当然といえるのかもしれませんし、第一、俳優が戯曲やその他の、例えば物語の中の人物として存在しなければ、それは演劇なのか、という問いも現れてくるかもしれません。


とにかく、今回の稽古場では戯曲に書かれた言葉は使われず、そこで、代わりに何の言葉が使われているか、というと、ネットに書かれる様々な悪口、罵詈雑言、レッテル貼り、などなど、ここでちょっと引用して紹介するのもはばかられるような様々に趣向を凝らした悪態、が口にされていて、そこには戯曲に書かれるような物語(STORY)は存在していないのですが、そのヘイトな文章が積み重ねられている状況は、私たちの現在のひとつの状態であり、生きている今の時間であり、何よりこれまでに過ごされてきた歴史(HI-STORY)がその稽古場では上演されつつある状態です。







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