2015年1月29日木曜日

1/14 饒舌な秘密


みんなで手を取り合っているのは仲がいいからではなくて、というと仲が悪いみたいに聞こえますけれどそういうことでもなく、今回の稽古で舵を取ってくれた、WANDERING PARTY という団体にかつて所属し、現在は舞台芸術協会の副理事長である高杉征司さんが最初にやったゲームが、まずはみんなの手を絡めて、それをみんなで解いていくというところから、見えないボールでバレーボールなど、共同作業でしかどうにもならないゲームを中心に稽古は進み、上の写真は皆んなで絡まった手を解こうとしている最中なのです。


コンタクトインプロとか、コミュニケーショントレーニングとか、というか、ワークショップという言葉が企業なんかで最近は使われておりますが、わりかし得意な人と苦手な人がはっきりするし、人に触るとかそういったことが苦手な人にとってはタマラナイ!というものでもありますが、コミュニケーション・共同作業が苦手でも、ゲームの規則が上手く分かれば案外すんなり出来ることもあるし、いくら積極的に参加しようとしても、反射神経や運動神経がないと上手くいかなかったりするので、何が言いたいのかというと、人は見かけによらない、ということでした。運動がニガテなんだろうなあ、ということは言われなくても見ていてなんとなくわかったりします。


村川さんはその間、高杉さんの話したことをホワイトボードに書いたり、高杉さんのちょっとしたプロフィール(人は見かけによらない)を書いたりしていたのですが、最後に「声を出すためにはどういった方法があるのか」と質問されると、高杉さんは、声は誰だって出る、とおっしゃいました。


この小さな部屋の中で、村川さんに届くように大きな声を出すためには空気をたくさん吸って準備をしておくだけでいい、それでも声が大きくならないのであればそれは気持ちのどこかで何かがブレーキになっている、とのこと。


多分、村川さんが聞きたかった答えは、発声のための方法、というかもっと肉体的な面での作用を想定していたのだろうと思うし、精神的な面で解決する、と要約できてしまいそうなその答えは何となく合理的ではないように聞こえるのですが、もちろん、私たちの経験上、緊張すればうまく喋れないし、驚いた時には思わず声が出てしまうし、小さい子供を相手にすれば自然と声が高くなる事もあるということを知っているわけで、それに、稽古場で最初に高杉さんに会った時に緊張して小さく言ったコンバンワと帰りに言ったサヨウナラの声の違いは高杉さんに対する距離感の取り方の違いなのでしょうから、むしろいたって当たり前の答えで、まずはそこから始めよう、ということだったのかもしれません。







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